かなりの割合でほじりたくなる人がでるんじゃないかと。
人には見せられない顔というものがあります。
それは寝起きの顔だったり、泣き顔だったり、すっぴんだったりと
人それぞれだと思うのですが、僕の場合はぶっちぎりでアレです。耳かき。
耳かきしている時の顔だけは絶対に見せられない。見せられやしないのです。
小首をかしげた状態で、耳に棒をつっこみ目はうつろ。
口はだらしなく開け放たれ、よだれがゆっくりと垂れさがっていくその様相は、
危ないおクスリを摂取してちょっと遠いところへ行ってるん?と判断されても
おかしくないレベルの気持ち悪さでございます。一目見たら泣く子も黙る。
そして吐く。白目むいて、黙って吐く。ゴメン坊や・・・まじゴメン・・・。
とりあえず、それほど耳かきは気持ちいいのです。
あまりに気持ちよすぎて変な汁とか出そうになるのです・・・あっ・・・
・・・あ・・・あっ!・・・や、やだ・・・はずかしい・・・・・・・出ちゃった・・・
ナンプラー・・・。(鼻頭から)
といった具合に、僕はかなり頻繁に耳に棒を突っ込んでは
よだれ(強酸)やらナンプラーやら垂れ流しているわけですが、
その際に僕が注意していることが一つあります。
僕の耳の中の、深さでいうと3cmほどのところでしょうか。
こう、ボコッと、山みたいな感じで隆起しているところががありまして、
その山を境に耳の中が異様に敏感になるのです。
わずかでも触れようものなら、痛いやらこそばゆいやら
でも気持ちいいやらで思わずアフンッ。もれる吐息、桃色吐息。
そこはもう、女性器でいうところの、なんといいますか、その、ク、ク、クリ、
クリストフ。
そう、さながらクリストフなのでございます。
クリストフ。スウェーデン人、男、35歳。無職。誰だ。誰だ?
そんなわけで、僕の耳の奥には性感帯があるもんですから
日ごろは出来る限りそこまでは入れないようにしているのです。
実際敏感すぎてかなり痛いし。怖いし。
や、耳かきの話ですわヨ?やだわ奥様!おほほ!(子宮をキュンとさせつつ)
ところが先日、ふとした拍子に
その禁断ゾーンに耳かきをぶっこんでしまいまして。うわ、いって!
耳元に走る鋭い痛み。と、それと同時に指先にコリコリとした感触が。
あ、いる。
でかいヤツ、奥、イル。
近年繁茂におこなわれる耳かき活動のせいで、
久しく見ることのなかった大物(耳クソ)の予感がしたわけです。
思わずカタコト。でかいヤツ、イル。エモノ、カル。
やがて始まる、バトル・イン・耳。
慎重に慎重を重ね、徐々に徐々に耳の奥へ・・・そしてコリコリ。
それは0.1mmの争い。コリ。コリコリ。
精神を研ぎ澄まし、限界まで集中力を高め、コリコリ。コリーナ。
裏腹にゆるみきった、くち、およよ、よだれ、たれる。ずるる。
うへぇきもちえへぇー。えへぇー。コリコリコリコリ・・・
!
感じる確かな手ごたえ。コリッ!コリータ!コリータ!トレータ!
でっかいのトレータ!
やべぇ、ミターイ!どれだけデカーイかミターイ!
うひゃードキドキする!
高鳴る胸を押さえつつ、おもむろにティッシュの上に収穫物をおき
マジマジと見たところ。そこには。
『イテテ・・・ナニゴトデスカー?』
ク、クリストフ・・・!?
===追伸===
というわけで、クソでっかい上にクソ分厚い耳垢がとれたんです。
尋常じゃない爽快感。心なしか耳がスースーしてるし。
ただ。
ただ、それ以来、耳から、変な、汁が、出るように。
・・・やっぱアレ、採っちゃまずいものだったのかしらん・・・
なにこれ・・・・ナンプラー・・・?やぺー・・・とまんね・・・どうしよ・・・
『クヨクヨスンナッテ!』
黙れ耳クソ!!
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