ロマンティックなどとは程遠い、極めて現実的な魔法。
マジョリカマジョルカ、という名前の化粧品のブランドがあります。
薬局にて”マジョリカマジョルカ、入荷しました!”という広告を見て以来
ずっとバイアグラ系の薬だろうと思ったのですが、違いました。化粧品でした。
しかも若い女性にかなりの人気とのこと。思い込みとは恐ろしい。
ところで、このマジョリカマジョルカ。
販売している化粧品のネーミングが小洒落ておりまして、
・かわいらしいピンクの口紅は【乙女ごころ】
・淡い水色のマニュキアは【人魚の瞳】
といった具合に、なんともロマンティックなのです。
その他にも【下心】【淑女の悪魔】【詐欺師】なんていう
男性からして見ればドキッとさせられるような名前もチラホラ。
あ、【あわび】とかは、ないのか。ないか。そうか。
しかし、そうそう洒落た名前ばかり思いつくはずもないようで、中には
・オレンジ色で【カロチン】
・薄いクリーム色で【練乳】
・銀色で【消防士】
なんていう、あきらかに投げやりなものもありました。
投げやりというか、これはもう間違えてると思う。
消防士はお洒落じゃないぞ。おじさんもさすがに気づくぞ。
そして、これでもう完全にネタが切れてしまったのか、マジョリカマジョルカ。
苦し紛れに捻り出てきたのが、新作のアイシャドー。
・うすいピンクの【安産祈願】
・爽やかなブルーの【交通安全】
光の効果で奥行きのある目元を演出する魅惑のアイシャドー、【安産祈願】。
い、いいのか。それでいいのか。おじさんにはちょっと、もう、わからないぞ?
思うに、名付け親の人は
洒落た名前を付けよう付けようと頑張っているうちに
徐々にあらぬ方向へ、どこか遠いところへ行ってしまったのでしょう。
得てしてよくあることだと思います。
その気持ち、痛いほどわかる。わかるだけに、見ていられない。
これから先、僕がなにかに悩み、自分を見失いそうになった時には
『マジョリカマジョルカ』と唱えることで落ち着きを取り戻そうと思います。
===追伸===
もともと化粧というのは
呪術の儀式などを行う際に用いられたものだそうですから、
あながち間違ってはいないのかもしれません。けど。
それにしてもどうなのか。完全に呪術なのはどうなのか。
あと、個人的な要望として
ロマンティックやファンシーなどとは一線を画した、
ちょっと大人のビターなネーミングを期待しております。
【戻れない日々】とか、【同期、結婚】みたいな。
※資生堂 MAJOLICA
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